野球を見るにあたっての基本指標のまとめ OPS、UZR、WARなど・・・
開幕までに記事を数本出そうかと思っていたのですが、気づいたらあと3日というわけで、あまり出せそうにありません。
そんななかですが、開幕するにあたって、当ブログでも使用する基本的な指標をまとめておこうかと思います。参考になれば幸いです。
とはいえ、当ブログではあまり細かい指標は用いません。というか、筆者が理解していません。ですので、ごく基本的なものです。上級者向けではありません。
では、早速行きましょう。
・打率(AVG) =安打÷打数
超基本ですが、念のため。打数とは、打席数から四死球、犠打、犠飛、打撃妨害、守備妨害を引いたものです。敵失は引きませんので、お間違えなく。また、犠飛には本塁以外に進塁した場合を含みませんので、その点もご注意を。
・出塁率(OBP) =(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)
ご覧の通り、やや複雑な公式となっています。注目すべきは、分母に犠飛が入っている点です。このせいで、理論上は打率を下回る出塁率というものがありえます。なぜなら、犠飛を放つと、打率は下がりませんが、出塁率は下がるからです。
紛らわしいことで有名ですが、長打を打つ確率ではありません。また、塁打数はなかなか公式記録には載りませんが、安打数・二塁打数・三塁打数・本塁打数は必ず載っています。そこで、実践的には、
という方法で算出することになります。
近年急速に普及した打撃指標です。計算方法は単純で、上記の通り出塁率と長打率を足し合わせただけのものなので、厳密には率ではありません。ですが、得点との相関性が非常に高く、MLBでは公式記録となっています。当ブログでも打撃成績の項目では必ず載せていますので、是非覚えておいて下さい。
・パークファクター(PF)
当ブログでは、あまり使用しませんが、非常に重要な指標です。フランチャイズ球場の違いによって生じる打撃成績の偏りを是正するためのものです。少し複雑な公式を用いますが、決して難しくはないので、是非理解して頂きたいです。
例として、甲子園球場のPFを計算する方法を示しておきます。
{(阪神の甲子園での本塁打数+阪神の甲子園での被本塁打数)÷(阪神の甲子園での試合数)}÷{(阪神の甲子園以外での本塁打数+阪神の甲子園以外での被本塁打数)÷(阪神の甲子園以外での試合数)}
見方としては、1を上回ると打高球場、1を下回ると投高球場ということになります。PFについては毎年算出されているサイトがあるので、リンクを貼らせて頂きます。
・UZR(Ultimate Zone Rating)
近年誕生した守備指標です。失策数だけで見ていた従来の守備観を大きく変えました。日本では、デルタ社とデータスタジアム社が算出しています。デルタ社が一般向けに数値を公表しているのに対し、データスタジアム社は非公表のため、当ブログではデルタ社算出のUZRを引用しています。
その名からも分かるように、フィールドをゾーンに分解し、どのゾーンのボールを捌いたかによって守備範囲を計るという手法が用いられています。一部のネットでは、バイトの大学生が計算しているという噂がありますが、それはデマだそうです。よって、信憑性については高くはないが、低くもないという評価が適当です。契約更改で球団に提出しても考慮には入れてくれないかもしれませんが、ファンが見る際に参考にするのには十分です。少なくとも印象で語るよりは良いです。
捕手、内野手、外野手のUZRがありますが、捕手については算出方法が謎なので、正直あまり参考になりません。内野手については、RngR(守備範囲)・DPR(併殺完成)・ErrR(失策)が考慮され、外野手については、DPRに代わりARM(進塁阻止)が考慮されます。
デルタ社のホームページでは、守備規定以上の選手についてのUZRが確認できます。ですが、今季より無料会員も登録が必要になったので、少しハードルが上がったかもしれません。
・WAR(Wins Above Replacement)
打撃・守備・走塁・投球といった元来別々の指標でしか計れなかった要素を総合して、各選手の貢献度を数値化した最強の指標です。名称の通り、「そのポジションの代替可能選手と比べてどれだけの勝利数を上積みしたか」を表します。評価基準は様々で、計算方法は複雑です。詳しくはデルタ社のページをご覧下さい。この指標のポイントは守備位置補正がかけられているので、全ポジションの選手を一線に並べて比較することができることです。
また、MLBでは2つの会社がWARを算出しており、rWARとfWARと言われるものがあります。NPBでは、デルタ社が算出しています。
なお、注意が必要なのが、代替可能選手という概念です。この概念は当該チームの控えを意味しているのではなく、平均的な控えを意味しています。ですから、仮にチームの中では一番良い選手であっても、余所のチームの控えよりも悪い成績である場合には、WARはマイナス数値を叩き出します。NPBでも規定打席に達してWARがマイナスという選手が毎年5人程度います。異常事態ではありますが、あり得ないことではないということです。
紹介したい指標はこれくらいです。投手指標については当ブログでは勝利数や防御率等の伝統的なものしか使用しません。なお、投手WARというものがあり、引用することがありますが、あまり大した指標ではありません。
最後に、筆者が便利だと思う野球記録サイトのリンクを貼っておきますので、是非ご活用下さい。
筆者が活用させて頂いているのはこれらです。是非、覗いてみて下さい。
また、3年ほど前までは「ヌルデータ」というサイトがあって、とても充実したデータ量を誇っていたのですが、誠に残念ながら閉鎖されてしまいました。迷惑していたら申し訳ないですが、勝手に名前を出させて頂きました。
本日は以上です。開幕までに、順位予想とタイトル予想の記事も出しますので、是非ご覧下さい。ありがとうございました。