京大生が斬る!プロ野球・阪神

京大生で、熱烈な野球ファンのたまてつです。当ブログでは、阪神タイガースを中心にプロ野球全体を様々な視点から観察していきます。

ゴールデングラブ賞発表! 選出は妥当か!?指標から探ります

本日、2019年度のゴールデングラブ賞受賞者が発表されました。受賞者の一覧は以下の通りです。

 

セリーグ             パリーグ 

投手 西勇輝   初       投手 千賀滉大 初

捕手 梅野隆太郎 2年連続2回目  捕手 甲斐拓也 3年連続3回目

一塁 J.ロペス   4年連続5回目  一塁 内川聖一 初

二塁 菊池涼介  7年連続7回目  二塁 浅村栄斗 初

三塁 高橋周平  初       三塁 松田宣浩 7年連続8回目

遊撃 坂本勇人  2年ぶり3回目  遊撃 源田壮亮 2年連続2回目

外野 丸佳浩   7年連続7回目  外野 秋山翔吾 5年連続6回目

外野 鈴木誠也  2年ぶり3回目  外野 荻野貴司 初

外野 大島洋平  2年連続7回目  外野 西川遥輝 3年連続3回目

 

受賞者の皆さん、おめでとうございます。我らが阪神タイガースからも2人選出されました。大変喜ばしい限りです。

 

 

このように大々的に報道され、日本国内では権威のあるこの「ゴールデングラブ賞」。選出方法は、5年以上プロ野球取材経験のある新聞記者による投票となっています。一見すると特に問題のない方法にも思われますが、毎年この方法を疑問視する声も多く聞かれます。というのも、毎年何らかの不満が出る結果となっているからです。

 

批判の中には、「無記名投票であることを利用して、自分の好きな選手に一票入れているのではないか」や「セリーグしか見ていない記者がパリーグはいい加減に投票している」、「昔のイメージにとらわれて、守備力の落ちた選手にばかり投票している」などといったものがあると思います。

 

とはいえ、多数決で決めている以上、必ずしも望ましい結果にならないのは致し方ない面もあります。そこを考慮してもなお、おかしい所があるならば問題ですね。

 

というわけで、この記事では、現在最も信憑性が高い指標として知られつつある「UZR」を用いて、果たして選出は妥当だったのか、検証していきます。

 

 

まずは、UZRとはどのような指標なのか、簡単にご説明します。

 

UZRは、Ultimate Zone Rating の略称で、野手の守備による貢献度を多面的に評価するために開発された指標です。評価対象となるのは主に以下のものです。

 

内野手・・・DPR(併殺完成)、RagR(守備範囲)、ErrR(失策)

外野手・・・ARM(進塁阻止)、RagR(守備範囲)、ErrR(失策)

 

捕手は、良く分かりません(笑) いずれにせよ、守備において求められる能力がどの程度あるのか、総合的に示したものというわけです。偶に、UZRは守備範囲の指標だと勘違いされている方がおられますが、守備範囲は評価基準の一つに過ぎませんので、あしからず。

 

UZRは数値で表され、正の値が大きければ大きいほど良いです。プラスマイナス0がリーグの平均で、平均を下回ると負の値になります。

 

 

ではここから実際に検証に入りますが、注意点が一点あります。筆者もUZRが万能な指標だとは思っていません。そもそも通説的には、UZRは変動が大きい指標であるため2~3年の長期的な視点で評価されるべきとされています。それを1年という単位で見るわけですから、多少の誤差が生じていることは間違いありません。ですが、それでもなお十分に参考になる指標だと考えている、というわけであります。その点、ご理解下さい。

 

それでは、評価基準ですが、捕手と内野手については以下のようにしたいと思います。

 

・選出者がUZRリーグ1位の場合・・・◎(妥当)

・選出者がUZRリーグ2位の場合・・・○(正当)

・選出者がUZRリーグ3位以下の場合・・・×(不当)

 

外野手については以下の通りです。

・選出者がセンターUZR1・2位、ライトUZR1位の場合・・・◎

・選出者がレフトUZR1位、センターUZR3位、ライトUZR2位の場合・・・○

・選出者がレフトUZR2位以下、センターUZR4位以下、ライトUZR3位以下の場合・・・×

 

 

それでは検証に入ります。

 

セリーグ

捕手 梅野  ◎ 6.2 1位

一塁 ロペス × 0.3 3位

二塁 菊池  ○ 5.0 2位

三塁 高橋  ○ 6.0 2位

遊撃 坂本  × -3.0 4位

外野 丸   ◎ 8.6 センター2位

外野 鈴木  ○ 9.3 ライト2位

外野 大島  × -11.4 センター5位

 

パリーグ

捕手 甲斐 ○ 3.0 2位

一塁 内川 ◎ 18.6 1位

二塁 浅村 × 1.6 3位

三塁 松田 × -5.0 4位

遊撃 源田 ◎ 22.4 1位

外野 秋山 ○ -3.8 センター3位

外野 荻野 ◎ -3.6 センター2位

外野 西川 × -5.9 センター4位

 

 

考察

◎(妥当) ×5

○(正当) ×5

×(不当) ×6

 

妥当な選出もあり、不当な選出もあるといった感じですね。UZRと記者投票の相関性は小さいと言わざるを得ません。

 

やはり、多くの記者の選出基準の中に「人気」、「知名度」というようなものがあるのかな、と感じます。

 

 

上記のデータは、DELTA社が算出したものを使用しました。下記のURLからご覧頂けます。

https://1point02.jp/op/gnav/leaders/pl/pfs_advanced.aspx?sn=2019&lg=0&tm=0&ps=0&sl=1&sr=0&pn=-1

 

 

本日の記事は以上です。

 

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