京大生が斬る!プロ野球・阪神

京大生で、熱烈な野球ファンのたまてつです。当ブログでは、阪神タイガースを中心にプロ野球全体を様々な視点から観察していきます。

未来のエース「森木大智」 / 申告敬遠と前進守備と / 打順考

高知高校から2021年ドラフト1位でタイガースに入団した森木大智投手が、プロ初登板初先発を果たしました。5回までなんと被安打1という素晴らしい投球を見せましたが、援護点は0。6回に3点を失い、敗戦投手となってしまいました。

 

ですが、最速154キロのストレートをはじめ、カーブ、スライダー、スプリットを制球よく投げ込むその姿は、高卒1年目、プロ初登板の投手にはとても見えませんでした。間違いなく「未来のエース」となることをファンに確信させたと思います。それだけに、大事に使っていかなければならない投手でもあります。次回は間隔を空けて、甲子園で投げてもらいたいですね。

 

 

続いて、本日6回裏の采配についてです。0-1で2アウト2塁、バッター2番大島選手という場面で矢野監督がとった作戦は、まず大島選手を申告敬遠。そして外野手を前進させて3番阿部選手と勝負といったものでした。結果、阿部選手はライト後方へのフライを放ちましたが、前進守備が仇となり適時2塁打。0-3となって終戦という次第でした。

 

矢野監督の考えを推測するに、「もう1点もやれない」と考えたのでしょう。取り敢えず打率.320の大島選手を避けました。そして打率.270の阿部選手との勝負となりましたが、外野を下げてしまっては1ヒットで1点となります。そこで前進を敷きましたが、見事に頭を越されて2失点したという感じではないでしょうか?

 

では、どうすればよかったか?何点か示します。

 

①外野前進で大島勝負

おそらく最適はこれです。大島選手は高打率ですが、外野の頭を越す打球を放つ可能性は低いです。よって仮に打たれても、2アウト1、3塁で阿部選手を迎えられます。そこで阿部選手を打ち取れば、無失点で切り抜けられるわけです。

 

②大島敬遠、阿部勝負だが外野定位置

大島選手を避けて阿部選手と勝負するということは、打率が低い選手を選んだということですから、阿部選手にヒットを打たせない作戦ということです。その時点で、ヒットを打たれることを前提とし、打たれた際に2塁ランナーを本塁に返さないための作戦である外野前進とは相容れないはずです。よって外野前進はせずに定位置を守り、長打による複数失点をケアするというのが筋の通った作戦となります。

 

③ボール中心で大島勝負

プロ初登板の投手がマウンド上にいることを踏まえると、これがいちばん現実的かもしれません。大島選手を申告敬遠してしまうと、もう阿部選手を避けることは出来ません(その場合満塁でビシエド選手を迎えることになります)。要するに、大島敬遠という策は投手に精神的負担を強いるということです。よって1塁が空いていることを前提に大島選手と勝負しつつも、カウント不利になれば阿部選手勝負に切り替えるというのが投手に最もプレッシャーがかかりにくい作戦であり、森木投手を投げやすくすることができた作戦ではないでしょうか。

 

このいずれでもない作戦をとり、大失敗したわけですが、その根本の原因は矢野監督の「楽観的・希望的観測」だと思われます。「打率高い大島避けたから、抑えてくれるはず」などと思ってベンチから見ているのでしょうが、阿部選手の長打力が大島選手より高いことは頭に入ってますか?常にリスクを考え、最悪を想定しなければ野球の采配はできません。なぜなら野球は確率のスポーツだからです。少しでも確率の高い方、高い方を選択しなければ、勝つことは難しくなります。矢野監督は4年間でそれが学べなかったということです。それに尽きます。

 

そういえば水曜日、伊藤投手のときも投手にプレッシャーをかける申告敬遠で失敗しましたね。あの時は今日より難しい采配だったとは思いますが、自らを省みる行動をしていないからまた繰り返すのでしょうね。もううんざりです。

 

 

最後に、打順の提言です。今年の形とも言える「1番中野・2番島田、3番近本」についてですが、そろそろ潮時だと思います。まず1HRの近本選手が3番は苦しいです。6~7月は3割を大きく上回る打率を残していたのでそこそこ機能していましたが、今の状態でクリーンアップは無理があると思います。また、2番島田選手もキツいですね。そもそも上位打線の打力はありませんし、最低限もあまり出来ていません。

 

そこで昨日の「1番中野・2番近本・3番ロハス」が現状の最善だと思います。これで左打者が4人続くのも回避できます。島田選手は下位で使いましょう。矢野監督は良くも悪くも頑固なので一度決めた形にこだわりすぎる節があります。クローザーの問題も同様ですね。指揮するのは残り22試合だけですが、もう少し柔軟に行きましょうよ。

 

 

本日は以上です。9月戦線はなんと22試合中16試合が甲子園です。今季勝率.587の本拠地で矢野野球の集大成、見せて頂きたいです。