京大生が斬る!プロ野球・阪神

京大生で、熱烈な野球ファンのたまてつです。当ブログでは、阪神タイガースを中心にプロ野球全体を様々な視点から観察していきます。

阪神、クラスター発生。  「阪神」ブランドを問う。

阪神タイガース新型コロナウイルス感染症クラスターが発生しました。詳細が分かってきたので、まとめておきたいと思います。

 

 

〈感染者〉

浜地岩貞陽川糸原馬場スタッフAスタッフB・・・選手5名、スタッフ2名

 

〈濃厚接触者〉

小林、小川、岩崎、木浪、福留、江越・・・選手6名

 

〈登録抹消〉

上記11選手

 

〈登録〉

能見、藤浪、谷川、齊藤、上本、北條、熊谷、髙山、島田

 

 

 

全国で連日500人程度の感染者が出ている以上、感染することは致し方ないことではあります。しかし、どこで感染したか、どのような感染対策を取っていたかは重要な問題となります。そこで、事実関係を洗い出し、検証してみます。

 

 

①球団指定ガイドラインについて

 

球団指定ガイドラインでは、広島遠征・名古屋遠征時に限り、3連戦の中で1日外食可能な日を定めていたようです。共に行ってよいのは球団関係者と家族(遠征先に家族は普通いない)のみで、4人以下、2時間以内、同ポジション禁止との条件を付していました。

 

同ポジション禁止条件は、クラスター発生リスクに備えた危機管理としてよいと思われます。また、4人以下、2時間以内という条件も政府や自治体の要請に依拠したものと思われます。

 

一方で、球団関係者との会食というのは、会社でいうところの社員同士での飲み会ということですから、いちばん問題視されているところだと感じられます。これを容認していた阪神球団の管理はかなり甘いと指摘されて尤もだと言えましょう。3月にもチーム内クラスターを発生させているにも関わらず、です。

 

また、そもそも外食を許可する指定日とは何でしょうか?球団によっては遠征時の外出を禁じている所もあるようです。当然、「この日に限り許可する」と言われれば選手は外食しに行くでしょう。「限定」、「許可」、「指定」といった字面を見れば、むしろ外食を強要されているとすら感じるのではないでしょうか。12球団が協力して、コロナ禍でもペナントレースを遂行しようと努力している中、この球団だけは感覚がずれているように思えて仕方ありません。

 

というように、そもそも球団指定ガイドラインにかなり問題があります。しかし、重要なのは次の点です。選手がこのガイドラインを守っていたのか、と言う点です。守っていたにも関わらず感染してしまったのなら、選手を責めるいわれはありませんし、むしろ球団が守らなければなりません。一方で、このガイドラインすら無視した身勝手な行動を取ったあげく、感染したという選手がいれば、その選手はクビにされても文句は言えないどころかクビにされて然るべきということになるでしょう。

 

 

②会食について

 

19日に行われた会食は判明しているだけで2グループあります。それぞれ〈岩崎会〉、〈福留会〉と命名します。

 

〈岩崎会〉

岩崎、浜地馬場、小川

 

〈福留会〉

福留、岩貞糸原陽川、小林、木浪、江越

 

上記11名は全員登録抹消されました。赤字が感染者です。岩崎会のほうは浜地由来ですが、福留会のほうはおそらく岩貞由来でしょう。そんなことはどうでもいいのですが。

 

問題は〈福留会〉ですね。人数が多すぎます。球団指定ガイドライン違反ですので、〈福留会〉に参加していた7選手は全員戦力外が妥当だと思われますが、実際は代表して福留が引退という形になるでしょうね。福留は次期監督の有力候補でしたが、その可能性はなくなりました。矢野はほくそ笑んでいることでしょう。

 

〈岩崎会〉の方は人数的には問題はありません。が、全員同ポジションですから、球団指定ガイドライン違反ということになります。とはいえ、そもそも投手は投手どうしで会食するでしょうから、それは致し方ない気もします。

 

 

③コロナへの姿勢

 

球団はガイドラインの基準が少し甘かったのも問題ですが、選手への教育・指導がいちばん問題だった気がします。球団というより、親会社のお偉いさんが出てきて、選手たちにもっと念押しをしておくべきだったのでしょう。ガイドラインすら平気で破る選手たちは論外ですが、そういった選手たちに「阪神」の看板を背負っていることをもっと理解させておくべきでしたね。

 

阪神」を支えている人はいっぱいいます。日々、鉄道の安全運転に努めている運転士はその代表格です。しかし、「阪神」のマスコットは結局のところタイガースの選手なんですよね。いくら駅員が頑張ろうと、整備士が頑張ろうと、百貨店の店員が頑張ろうと、マスコット的存在であるタイガースの選手たちが自覚のない、軽率な行動をとることで、簡単に「阪神ブランド」を地に落とすことができてしまうのですよね、、、

 

「阪急」側は気にしないのかとも思いますが、所詮は阪急「&」阪神ですから、それほど痛くはないのでしょうかね。

 

話が少し逸れましたが、選手について言えることは、自覚がなさすぎ!!!ということですね。3月に身内から感染者を出しておいてまさかとは思いますが、実際のところ「まさか自分が罹るなんて」「まさか自分が移すなんて」といったノリなのでしょう。社会生活をする以上、「罹らない」「移さない」を意識しながら多くの人間が生きていると思いますが、彼らはまったく違うようです。

 

 

④責任の所在は、、、?

 

犯人捜しというようなことはするべきではないのでしょうが、多大なる悪影響を及ぼしている以上、触れずにはいられません。

 

親会社(阪急阪神HD)

子会社(阪神電気鉄道)

球団(阪神タイガース)

現場責任者(監督・コーチ・スタッフ)

選手

 

この構図合ってますかね?この構図が合っていたら監督も責任重大ですね。今まではかわいそうな矢野と思っていましたが。確かに、選手の成績がふるわなければ監督はクビになります。ですが、選手が会社のルールを破った場合の責任が問われるのかは不透明ですね。

 

     球団

      ↙  ↘

現場責任者  選手

 

それともこういった構図なのでしょうか。

 

 

いずれにせよ、選手にいちばん近いのは監督・コーチ・裏方スタッフですから、そいつらの行動・雰囲気作りが選手に大きく影響を与えているのは間違いありませんよね。オリックス西村徳文という前監督は、コロナ禍における千葉遠征の際に選手には外出禁止令を出しつつ、自身は焼肉を食べに行ったことが選手にバレて、求心力を失ったようです。タイガースもこれくらい選手がまともな神経を持っていればよかったのに。とはいえ、オリックスでも2選手がコロナ陽性ですから、注意に注意を重ねるくらいでちょうどいいのかもしれません。

 

 

 

長々書いて疲れましたが、要するに、阪神」ファンである筆者は悲しいということです。

 

昨今は野球ファンも多様化していますから、選手個人を応援している人も少なからずいるでしょう。しかし、野球は団体競技ですから、やはり多くの人はチームを応援していると思います。しかも、チームの構成は一気にではなく徐々に変わっていきますから、「このメンバーのこのチーム」ではなく、年月を経てメンバーが入れ替わったとしても「このチーム」を応援してる方が多いと思うんですよ。

 

それが「阪神」ファンであり、「巨人」ファンであり、12球団それぞれのファンですよね。それぞれのチームのマークであったり、ユニフォームであったりを好きでいて、誇りを持って、胸を張って応援してると思うんですよ。

 

あまりにも不祥事が多いと、胸を張って「○○ファンです」と言えなくなりますよね。あまり言うと問題になるでしょうが、選手個人のファン(いわゆる誰々信者)よりも「○○ファン」を大事にした方がいいですよ。「○○ファン」がいなくなったときこそがチームが終わるときだと思いますよ。

 

ですから、これ以上「阪神ファン」を裏切る行為はやめてもらいたい。これが「阪神ファン」から「阪神の選手」への切実なる願いですよ。

 

これも例として挙げると気を悪くする方もおられると思いますが、なぜ近鉄バファローズの消滅が惜しまれるか。それは「近鉄ファン」がいるのに、「近鉄バファローズ」が消滅してしまったからですよ。「中村紀洋」のファンは、ドジャースでも、オリックスでも、中日でも、楽天でも、横浜でも、DeNAでも、背番号3でも、背番号5でも、背番号205でも、背番号99でも、「中村紀洋」であるなら構わないはずです。でも、「近鉄ファン」は「近鉄の」中村紀洋でないと心の底からは応援できないのです。

 

それが球団名というブランドなんですよ。分かるか、選手たちよ。

 

 

 

だから、これ以上「阪神」ブランドを汚すのはやめてほしい。